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勝利の女神はこの桜を満開にすることはなかった。
ロスタイムの悲劇、まるでドーハの悲劇のような勝利が手元からするりとすり抜ける瞬間。それはスタジアム全体から湧き上がる悲鳴、何者にも替え難い悲しみに包まれた。
【左】 呆然としてなかなかピッチから離れられなかった選手たち
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言葉が出なかった。
それは応援する私たち以上に、選手の皆がそうであるに違いない。
「We must
WIN!」、サポーターは皆そう叫んで今日の勝利を信じて疑わなかった。
【右】 選手たちがスタジアムを一周し応援してくれたサポーターたちに挨拶をする
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それでも監督、選手が最後にシーズン終了の挨拶をしたとき決してこの無念を胸にしながら搾り出すように言葉を一つ一つ出していたのはとても痛々しく、観客席にいる私たちまでが胸が張り裂けるような気持ちに襲われた。
【左】 選手たちがピッチから去っていく
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それでもセレッソサポーターの礼儀正しさには感服した。私の知る限り、この日のスタジアムで優勝できなかった自軍の選手に野次を飛ばすものはいなかった。これがあの甲子園球場なら野次だけで済んだであろうか。
私たちはもっと自分のホームのサッカーチームに関心を持ったほうがいい。野球だけでない別のスポーツのあり方を見せてくれるはずだ。
【右】 そして誰もいなくなったスタジアムで、サポーターが残された
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帰りにスタジアムの前にセレッソ大阪のマスコットキャラのロビーの人形が立っていた。夕陽にあたるロビーを見ていると何か応援する私達に切ないものを感じさせる。
一瞬の喜びと一瞬の悲しみをライブで感じられるこの長居にまた来よう。
そして1年後、長居で冬の桜が満開に咲き乱れることを切に願って。
【左】 黄昏の空を見つめるロビーは一体何を想っているのか
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