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天保山渡船 (天保山[港区]〜桜島[此花区])
渡し舟という乗り物は演歌の世界だけしか残っていないだと思っている人は結構いるはずだ。ところが大阪には渡し舟(通常は渡船というそうだ)がまだまだ現役で活躍している数少ないところでもある。 そのなかの1つが大阪港界隈にある「天保山渡船」で大阪港の華やかな観光スポットのなかでは少し地味さはあるが、隠れた観光スポットである。
(左) 天保山渡船の港区側の乗場。対岸にはユニバーサルスタジオが見える。[2001年5月撮影]
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「日本一低い山、天保山」のふもと?の岸壁から安治川の対岸、此花区桜島を結ぶ400mほどの航路である。もともとこのあたりは行き交う船が多く橋を架けることで船の運航を邪魔する恐れがあるということから橋ではなく「渡船」による行き来で橋のない分をおぎなっている。自動車用には渡船のはるか上を阪神高速湾岸線用に架けられた天保山大橋があるがその高さをもってしてやっと船の運航に支障がないというから、このあたりの船の行き来はいかほどかを推して知ることが出来る。
【右】 天保山側の渡船乗場全景(2001年5月頃)
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仕事柄ごくまれに築港界隈から桜島のほうに足を伸ばすことがあるが、30分間隔の船を待つのものんびりとしたもので、乗場の待合所でベンチに腰をかけていると時が止まったような錯覚に襲われる。時間が来て自動放送で出港の合図が流れて船に乗り込む。エンジン音をけたたましく鳴らしながらわずか2,3分ほどの船旅が終わってしまう。
【左】 阪神高速湾岸線の天保山大橋を高く見上げ船に乗り込む(2001年5月頃)
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しかしながら船から見る大阪港は水辺に近いこともあるが「港」という場所のダイナミズムを感じさせてくれる。天保山の客船岸壁には時折世界の豪華客船が停泊していることもあり、岸壁から見る姿とはまた違った水辺に漂う貴婦人のように凛々として美しい。
【右】 僅か5分で対岸に到達する。あっという間だ(2001年5月頃)
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